水道事業会計
R5年度の供給単価(203.22円)と給水原価(201.31円)の差は1.91円。差が縮まっている理由と、R6年度の状況は。
(答弁)
供給単価はほぼ横ばいなのに対し、主に給水原価算出の分子である給水費用が動力日を始めとする物価高騰による影響で増加したため、給水原価が大きく増加。
R6年度は、予算ベースでは供給単価は204.14円、給水原価が223.29円。
→差額はどのように対処しているのか?
(答弁)
他の営業収益や営業外収益などの収益で補填。
給水原価について、経営比較分析表によると類似団体の平均値よりも高い傾向にある。R4年度の類似団体平均値は173.68円で、本市とは13.73円の差がある。理由は。
(答弁)
地理的条件が違うため一概には言えないが、本市は千歳浄水場からの距離が遠いことや山坂が多く、ポンプアップの必要性が高いことで他都市に比べ維持管理に係る費用が高いことが要因だと考えている。
R5年度はR4年度と比較して、人口・給水栓数・給水戸数が減少しているが、給水量・1日平均給水量・1日最大給水量の数値が上昇している。その理由についてと、一方で有収率が減少している理由は。
(答弁)
料金水量や作業水量などを合計した有効水量と漏水などにより損失した無効水量を比較したところ、令和4年度と比べ令和5年度は有効水量が約7万トン減少しているのに対し、無効水量が約15万トン増加していることから、無効水量の大半を占める漏水量の増加が主な原因。
有収率が減少している理由については、給水量等の増加要因となった漏水の多くが、各ご家庭の料金メーターよりも手前で発生していることにより、料金徴収の対象とならなかったことが理由。
令和5年度 | 令和4年度 | |
給水人口 | 75,484 | 77,410 |
給水栓数 | 59,418 | 59,947 |
給水戸数 | 43,037 | 43,762 |
給水量(㎥) | 9,797,260 | 9,711,189 |
1日平均給水量(㎥) | 26,768 | 26,606 |
1日最大給水量(㎥) | 29,250 | 28,899 |
有効水量(㎥) | 7,738,870 | 7,807,281 |
有効率(%) | 79 | 80.4 |
有収率(%) ※料金収入があった水量の割合 |
75.3 | 76.8 |
漏水量が増加しているとのことだが、年間供給量から有効水量を引いた無効水量は2,058,390㎥。無効水量は赤水等で減額になる調定減額水量と漏水量があるとのことですが、それぞれの量と漏水による損失額は。
(答弁)
調定減水水量1万3,141㎥、漏水量204万5,290㎥。
損失額は、人件費や維持管理費、減価償却費など運営に必要な固定費を除き、浄水の量により変動する薬品費や動力費を漏水によって損失した金額として算出すると、約4,800万円。
有効率は年々下がってきているが、水道ビジョンではR10年度までに90%にする目標。どのように上げていくのか、対策は。
(答弁)
漏水防止対策として、老朽管の更新を推進していくことが最も効果的。
引き続き漏水発生頻度や管路の埋設年度、管種、土質などを考慮し、漏水発生リスクの高い管路から計画的に更新を行う。
また、有効率の低い区域を中心に、現在、主に日中に行っている音調調査を漏水音が聞き取りやすい夜間に実施することや、漏水エリアをさらに細かく把握できる簡易流量計を設置するなどして、有効率の向上に努める。
漏水調査の外部委託が行われ、また夜間の音調調査を行うと答弁があったが、具体的にはどの区域なのか、またなぜその区域の有効率が低いのか状況について伺う。
また、漏水リスクの高い管種と布設状況、また有効率の低い区域との関連については。
(答弁)
有効率の低い区域は、市内15か所の配水系のうち
・白鳥台などに配水している白鳥台系
・中島町、高砂町、日の出町、輪西町などに配水している知利別600系
・御崎町から絵鞆町などに配水している御崎500系
・幕西町などに配水している幕西高区系
など、9か所の配水系が令和5年度末の有効率79%を下回っている。
この配水系は、昭和40年代全般に布設された排水管が多く、約60年経過したことで、老朽化が進行し、漏水量が増加。
漏水が多い主な管種は、昭和40年代以前に布設された鋳鉄管、塩ビ管、ポリエチレン管など。
水道ビジョンには、以下について令和10年度の目標値があるが、進捗状況は。
(答弁)
R10年度目標値 | R5年度末 | |
管路の耐震管率 | 20% | 15.2% |
基幹管路の耐震適合率 | 75% | 70.7% |
重要給水施設配水管路の耐震適合率 | 70% | 60.2% |
→概ね計画通りに進んでいると考えてよいのか。
(答弁)
現在のところ概ね計画通りに進んでいる。
料金改定について、期間最終年度で資金剰余金を最低8億円確保したいとのことだったが、その時の趣味レーションによると、R5年度の資金剰余金は9億2,153万4,000円となっているが、R5年度決算の資金剰余金の状況は。
(答弁)
工業用水道廃止による約1億円の繰入の影響もあり、約12億1,300万円。
現在の料金算定期間は令和6年度までとされあているが、R7年度の料金の考え方と、今後の料金改定の見通しは。
(答弁)
R7年度については現行料金を維持できる。
今後は、今年度予定している水道ビジョン改定に向け、現在も将来収支を精査しながら、いつ頃改定が必要かも含めて検討中。
ウォーターPPPについて、下水道は来年度導入可能性調査を行うと同僚議員へ答弁があった。上水道については、交付金の条件は今のところ課されていなが、導入判断の考え方は。
(答弁)
これまでも千歳浄水場は全日、イマイベツ浄水場と水道部管理センターは夜間休日における運転管理業務の委託化や、管路の維持管理として、漏水調査や漏水修繕業務を委託化するなど、官民連携を促進し業務の効率化を図ってきた。
今後は、水道職員の更なる減少も予想されるので、民間委託とのコスト比較をした中で、水道事業での導入検討をする。
登別市との浄水処理水量並びに浄水処理業務及び維持管理業務委託料について、過去5年間の傾向について伺います。
(答弁)
浄水処理水量 |
浄水処理業務及び 維持管理業務委託料(税抜) |
|
R元年度 | 152万8,274㎥ | 1億1,920万5,372円 |
R2年度 | 162万3,026㎥ | 1億2,659万6,028円 |
R3年度 | 153万9,557㎥ | 1億2,008万5,446円 |
R4年度 | 155万9,605㎥ | 1億2,164万9,190円 |
R5年度 | 158万736㎥ | 1億2,329万7,408円 |
現在は78円/㎥で、料金改定について昨年の6月に同僚議員から質問があり、その際に、委託料の適正化について登別市に申し入れると答弁があったが、現在の状況は。
(答弁)
申し入れをしており、具体的な話には至ってはいないが、現在の物価高騰を踏まえた委託料になるよう、今後も継続して協議を行う。
★現在の協定期間は5年で、継続の有無については2年前までに申し出るものとされているが、この内容では、物価高騰等様々な要因を反映できないので、協定の在り方についても合わせて検討を行い、早急に結論を出すことを求める。
千歳浄水場の在り方について、ダウンサイジングや施設再編の検討はR11年度からの水道ビジョンで示すと過去に答弁があったが、水道ビジョン改定版は今年度示すと先ほど答弁があった。千歳浄水場の在り方を示す時期はいつ頃を考えているのか。
(答弁)
千歳浄水場共同使用者である登別市と実施している水道事業あり方検討委員会において検討を継続しており、今年度改定を予定している「水道ビジョン」の中間見直しの期間を目途に示せるように検討する。
★給水原価の高さは、千歳浄水場からの距離が遠いことも一因と答弁があった。あらゆる可能性を視野に検討することを求める。
<高砂ベンゼン>
問題が発覚してからすでに2年以上経過。交渉協議の回数は。
(答弁)
被害者の会が結成される前は5回、結成後は15回。
結成後の方が内容も濃い。
時間がかっている理由と、決着がつく見通しは。
(答弁)
被害者の会の方々とは、以下について質疑、協議を断続的に実施した。
①精神的苦痛に対する慰謝料の具体的な内容の提示と説明・協議
②血液・両検査の実施と医師による説明
③個別の不満や当時の事情の聞き取り
④2020年10月以降、2000リットルと事業者が主張するガソリンの漏洩開始時期と量についての科学的検証を、事業者・水道部それぞれで実施
⑤健康診断の内容の検討及びベンゼンの毒性に基づく健康被害の可能性の把握
⑥健康被害が発生した場合の補償内容の検討
などについて、3者において検討の上、被害者の会の方々に説明、理解を求めてきた。
これまでにかかった経費と負担は。
(答弁)
水道部において負担した経費
・配水管等対策工事で約3,163万円
・ガス等調査費用で約1,911万円
・水質試験費用で約902万円
・健康影響調査費用で約488万円
・健康影響評価検討委員会で約146万円など
合計約7,660万円。
現在事業者とは、弁護士を通じて責任割合について協議を行っており、その結果に基づき応分の負担をしていくものと考えている。
水道水を供給する者として責任はあるが、ガソリンを漏洩させた事業者に対してはどのような主張を行ってきたのか。主張に変更はないのか。
(答弁)
ガソリンを漏洩させたこととが一番の原因。
PE管敷設には過失がないと考えているが、初動対応が適切でなかったことにより、結果的に汚染水道水を飲用させてしまった、その結果に対しては一定の責任を負う旨を事業者には伝えている。
★事故の原因者は事業者。責任割合については十分な精査を行い臨むことを求める。
エネオス社の社長が謝罪に来られると伺っているが、その時期は決まったのか、どのタイミングで来るのか、市の考えは。
(答弁)
被害者の会をはじめとする地域住民の理解が得られた段階で、事業者側において検討されることになると思うが、一夫で、水道部と事業者間における責任割合の協議が整った段階で、水道部としては完全決着になると考えており、その旨、事業者にも伝えている。
今回の不適切な職員対応により、被害者の方々にはさらに大きなダメージを与えた。水道部としては対応の見直しをされていると思うが、これは全庁的な問題ではないか。
例えば小さなことだが、「市役所にきても職員からの挨拶はない」と話す市民もいる。他自治体の接遇マニュアルには廊下ですれ違う市民への挨拶の必要性や、挨拶は表層的サービスであり、信頼獲得のために必要なサービスである、と書いてある自治体もある。
また札幌市のには「市民と接しているとき、職員ひとりひとりが市役所の代表である」という責任感をもって市民と応対することを求めている。
本市のマニュアルでは市民に対する挨拶の記載は特にない。
今回の一連の事故対応から、市職員の対応について何が問題なのか分析し、全庁的に改善に取り組む必要があると考えるが。
(答弁)
マニュアルは見直す。
課題が上にあがってこないことで、共通認識が持てていない。
定期的に半年ごとに事務の見直しを行う中で、市民から受けた対応がおざなりになっていないか、上に報告に上がっっているのかも点検項目に加えている。
市民の声は何か問題がある、市役所にやってほしいことがあるから市役所に対して声をだしている。それを放置しないことがないよりも大切。
部長会等を通して繰り返し伝えていく。
★市役所が変わったと市民がわかるように、小さなことでも積極的に取り入れ、取り組まれることを求める。