11月13日(月)~15日(水)まで、
愛媛県西予市、岡山県玉野市へ会派視察へ。
西予市の写真
西予市では「働き方改革を実現するオフィスの空間づくり」についてをご説明いただきました。
人口34,683人(2023年9月30日現在)で、合併したため本庁舎の他支所が4か所あり、一番遠い支所から本庁舎までは約45分かかるそう。
★昭和な働き方から脱却するための3つのオフィス改革
①紙の書類からの脱却
②昭和な会議からの脱却
③職位の壁からの脱却
生産性向上のため環境整備が必要とのことで、オフィス改革をスタート。生産性向上とは具体的には2点。
アウトプットを増やす~地域を魅力的にするアイディアや地域の課題を解くアイディアを増やす→成果の質を上げる
コストを下げる~ルーティンワークの効率化
何度もワークショップを行い、民間オフィス等本物に触れるなど、意識改革を進める中で、職員の抵抗が少ないものから着手。
抵抗低 |
Wi-Fi整備、ノートパソコンの導入、SNS情報発信、PHS電話の導入、デュアルモニターの導入等 |
抵抗高 |
レイアウトの変更、袖机の撤去、会議資料のデジタル化、 テレビ会議の徹底等 |
4階モデルオフィス→2・3階レイアウト変更とすすめる。
4階の実績があったため、2・3階はそれほど抵抗なし。
結果、職位が異なる会話が約5倍に増加し、70%が価値ある情報を得る機会が増えたと答えたそう。
令和2年度からは、窓口業務改革などを含めたオフィス改革を進化させ、全庁的な取組に取り組んでいるとのことでした。
例えば・・・
・ミーティングスペースの確保
・オンラインブースの設置
・各課間のキャビネット取り払い
・子どもと一緒に相談できるスペース(畳敷き)
・ペーパーレスの推進、書類保管の減 など
(感想)昭和な働き方から脱却するために、様々な取組や工夫がされておりました。長年の意識をどう変えていくのか。役所の働きやすさは、結果市民に還元されます。室蘭市も来年度から電子決裁を導入すると聞いております。本庁舎問題もありますが、できるところから取組を進めていかなくてはなりません。
玉野市では、コミュニティ交通事業と玉野市民病院と玉野三井病院の統合についてお話を伺いました。
コミュニティ交通事業
平成11年8月からシーバス(コミュニティバス)を開始。
ただ、1周するのに90分以上かかる循環型だったため、利用者が少なく「空気を運んでいるようだ」と言われる。
そこで
シーバスの役割はどこにあるのか担当者は考えた。
①市民の多様なニーズに応えるためには、JR・民間路線バス・タクシーとの共存が不可欠
②共存するためには、「誰を・どんな乗り物で・運賃はどうするのか」など役割分担が必要
③便利でなければのってくれないし、結果外出の機会は増えない
・・・・・皆で考えよう!地域公共交通会議を設置(事業者、市民、学識経験者、関係機関)。
現在は乗り合いタクシーや航路を含めた、コミュニティ交通に進化。
すごいと思うのが、利用者の意見や乗降率を定期的に調査し、必要なことをすぐに反映させる姿勢。
室蘭市より少し広い行政面積(103.5㎢)で、同じように山坂がある地形でここまでできるとは驚きました。コールセンターもコンシェルジュの役割を果たしており、接続時間や行く方法なども教えてくれるそう。
よい視察先があれば、事業者と一緒に行って研究するなど、市民の足を守る決意と共存共栄を軸として、官民連携で取り組まれておりました。
病院統合
【3病院統合検討】
平成28年4月に玉野市地域医療連携推進協議会を設置し、7回の会議を開催するものも不調に終わる。
【市立病院だけで行こう!】
平成29年3月に玉野市新病院基本構想を策定
平成29年5月には、玉野市地域医療連携推進協議会専門部会を設置し、新病院のあり方に関する協議を4階開催。地域の医療機関との連携が必要と結論。
【2病院連携を目指そう】
平成30年6月には市内2病院の連携にむけ、協議を開始。
令和元年9月に経営統合協議に関する基本合意書の締結
令和2年3月玉野市新病院基本計画の策定
令和2年8月地域医療構想の実現に向けた重点支援区域に選定
令和2年12月事業譲渡契約書の締結~正式な経営統合の決定
令和3年4月地方独立行政法人玉野医療センターの設立
再編・統合に向けて
①玉野市民病院と玉野三井病院が、地方独立行政法人として統合。
②2024年に新病院完成で190床に。
独立行政法人になるには、新設型と移行型があり、移行型を選択(要条例)。雇用は引き継がれるため退職員は支払わず。土地・建物・医療機器は資産として市が出資。
玉野三井病院は、土地と建物を有償貸与。雇用は一度退職し、法人にて直接雇用。
★主な課題
・職員の移行(雇用の確保)→新たな給与制度の構築、移行後一定期間の現給保障、退職金に係る勤務期間の通算
・法人運営に係る財政基盤の確保→玉野市からの出資金(5億円)、土地・建物等の現物出資、国の補助金の活用、重点支援区域の認定。
それぞれの資産や負債は玉野医療センターに引き継いだ。