7/3~4と会派で視察に行ってきました。
初日は草加市のリノベーションのまちづくり。
~顔の見える経済循環をつくりたい~
草加市はそもそも空家率も低く、いわゆる空き店舗対策の必要性は特になかったそう。
課題としては、
①ベットタウンであるがゆえの住民の入れ替わりが多く、まちに対する愛着が低いこと
②ショッピングモールがなく、週末は市外に行ってしまうのがほんとで、経済循環率が低い
このふたつの課題を解決するために、地域密着ビジネスを育てることで経済循環を高めたい、その手段としてリノベーションのまちづくりに着手したそうです。
民間が公共サービスを担うことで域内経済循環を高められる、そして市はそれを応援していく、というスタンス。
民間はやりたいことをやって、行政はやるべきことをやる。
行政と民間の連携、いわゆる公民連携で進められています。
スモールエリアで取り組むことで、エリアの雰囲気を変え、「ここでビジネスをやったらおもしろい」と思ってもらえることで需要を高めていく。実際に事業の波及効果により出店が増えたそう。
市の取組としては、
・専門の部署を設置
信頼関係は目に見えないため日々の仕事の優先順位としては下げられてしまう。だからこそ専門部署の職員が地域に入ることで、プレーヤーと信頼関係をつくれる。
・地方創生推進交付金を活用
この交付金は5年間。これは5年間は市が事業に取り組むことを指し、民間の人にとっての担保となる。
・リノベーションスクールの開催
・リノベ物件の選定
リノベーションスクールでも、物件への投資回収は7年と想定しており、長く使う必要はなく、次につながることが大切。
・空き店舗への補助金を廃止
理由としては、補助金だけでは事業の継続性がなく、つまり、補助金対象期間が終了した後に撤退するケースもあり、また、家賃助成等では大家は努力しなくてもよく、市場が機能しないため。
実際の効果としては、
事業によって10店舗
波及効果で25店舗
家守会社が5社
その他、マーケットの学校、企業版リノベーションスクール等様々な事業に展開。
地価も上がり、不動産会社のHPでもリノベーションのまちづくりが紹介されるなど評価があがったそう。
<感想>
リノベーションでエリアの価値が高まることで、使う人が増え、すると投資も増え、それが更にエリアの価値を高める、という好循環が作られている。
それはやはり、専門の部署を置いていることが効果を高めていると感じました。
地域との信頼関係が強くなり、その中で議論や対話をすることで次に必要な事業が生まれる。
顔の見える関係は、市が率先して作っているのだと感じました。
現地視察中も出店準備を行っている人に遭遇するなど、顔の見える関係性がそこにはありました。
若い世代がプレーヤーとしてその循環を回していることがとても印象的でした。