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「わが心の朝」を見て

男女平等参画プラザ祭2019にて、教育映画祭最優秀作品賞を受賞した「わが心の朝」という映画を鑑賞しました。

映画自体は古く、舞台は1987年です。

 

<内容>

主婦・佐野けいこ40歳が主人公。

4人家族で、夫と子供2名。

夫は帰宅が深夜になる職場。

 

けいこは自分史の講座を受講していて、

「自分史の本が買いたい」

「自分の生き方を探りたい」

「社会とつながりたい」

という思いから、仕事をすることにしました。

 

就業経験のないので、なかなか仕事を探すのが大変。

ようやく仏壇屋にパートで就職することができました。

 

夫は、

「働く理由がわからない」と言い放ち、

「自分は家事を一切しない」と宣言し、しぶしぶ了承。

 

仕事にも慣れ、自分の工夫をし始めると、

「パートのくせにでしゃばり」と男性社員から言われてしまう。

正社員(男性)はパート(女性)を下に見ているという。

 

仕事が忙しくなると、なかなか家事をこなすのが難しくなったが、

家族からは

「頼んで働いてもらっているわけじゃない」

「家のことはお母さんの仕事」

「家のことはちゃんとやる約束」など言われてしまう。

 

中盤、夫の同僚が過労死するという出来事もあり、

夫自身も自分の生き方を見直す中で、妻の思いを理解していく。

 

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モーレツに働く夫を妻が専業主婦として支える、という時代の映画。

現在はむしろ共働きの中でどうやって家事の分担をしていくか、がテーマか。

ただ、「いつも女が犠牲」という感覚は現代にも通じるのではないか。

無意識や社会に存在する「家事は女の仕事」という感覚は、30年たってもまだあると思う。

女は子どもが生まれた段階で「お母さん」という役割をしなくてはならない。

「お母さん業」は初めてなのに、何か問題があると「母親のくせに」と周りから見られる。

子どもがいない私から見ると、すごくハードルの高い人生だと感じてしまう。